やこの備忘録

感想になりきれないオタクの備忘録です。

『整形水』を観ました。

整形水を観ました。パプリカ系統かなって思ってずっと気になってたんですけど、パプリカ系統だったら確実に精神を持ってかれるな……と思ってたんですけどフォロワーが今から見ます!って言っていたので便乗して見ました。

 

感想としては「全然パプリカ系じゃないな」「私には(ホラー度合いなどの)全部がちょうどよかったけど、これは全部中途半端だと思う人もいるだろうな」って感じです。

 

以下ちょいバレ。

 

整形水っていう水で理想の自分になろうぜ!※ただし容姿以外は整わない。

って感じで不思議な力で主人公が美貌を手に入れるんですけど、きれいになった主人公の性格が全然改善しないのが三つ子の魂こびりついてる〜!って感じでよかったです。(なぜなら主人公は痛い目を見るので感情移入をしすぎるないほうがいい)ただ主人公の悩み自体には共感する人はめちゃくちゃ多いと思う!でもこの悩みって解決が難しいから、性格の悪さとかファンタジーなアイテムとかでうまく感情移入から遠ざけてる感じ……これはメッセージ性の薄さに繋がるかもしれないんですが、この議題でメッセージ性を強くするのはかなり冒険なのでそれはいいと思う。

主人公の性格の醜さが嫌悪ってよりは怖さと逞しさ寄りなので(人を睨む癖とか、物理的な加害行為はないけれど明確な抵抗の意思を感じる)それがエンタメになってるんですけど、絶対に主人公と同じ苦悩を持つ人間はいるので身近にある要素で……この映画は描き方というよりも問題として取り上げる議題が重いんですが、そのあたりをファンタジー展開がいい感じでリアルさを消してホラーエンタメ寄りにしてて個人的にはよかったです。

主人公の抱える問題ってのがあまりにもリアルで、それによって発生する歪みも理解の範疇で。そこに現れる整形水はファンタジーの存在だけど、それを手に入れた主人公の行動があまりにも「そりゃそうなるよな」なんですよね。周囲に歪まされた被害者でもあるんですけど、その加害先がこの容姿に産んだ両親ってのが……あと引きこもりのリアルさというか……

って感じで醜さを描くパートと、それがきっかけで大きく物事が動く展開がいいバランスで展開されててよかったです。でもラストはすごい急展開でした!わたしは好きだけど、突拍子があんまりないので嫌いな人は嫌いかも。(あのリンゴとキウイはどうやってケーキになったんだ)

問題自体はリアルでもオチがわりと非現実的なのでメッセージ的には「あんま美に執着してっと痛い目見るぞ!」くらいのものになってて、それが説教くさくなくてよかったです。

美になりたかった人が美を収集する側になってお人形遊びしてるのはよかったです。しかもそれを自分の体にくっつけていってるの、グロとヘキの狭間って感じでちょっと好きです。主人公は「ああ……」な最期を遂げるのですが、シンプルにいままでの行いが良くないのでそんなに気落ちしませんでした。(苦悩と行動を天秤にかけてみたら末路はあんまりなんですけど)

 

面白かったです。すごい興奮はなかったです。いい感じにまとまってました。

 

あと、いい諏訪部さんがいます。

最後の口づけはヘキですね。

 

 

追記

週刊ストーリーランドって感想を見かけて「それだ~~~!!!!」になりました。週刊ストーリーランドです。