やこの備忘録

感想になりきれないオタクの備忘録です。

『オムニバース』を観ました。

舞台、オムニバースを観ました。

声優である木村昴さんが作った劇団の旗揚げ公演だそうです。木村昴さんと浅沼さんの2人芝居の舞台なんですけど、なんと脚本がラーメンズ小林賢太郎さんだったんですよね。

私はラーメンズが大好きなので小林賢太郎さんが手掛ける2人芝居!?と食いついたわけであり、ラーメンズが好きな友人からもお墨付きをもらっていたので配信を買いました。

 

結論から言うとめっちゃよかったです!というかこれラーメンズ好きに刺さると思うんですよね……。

内容としてはコントっぽい(というかラーメンズのコントそのものな)短いお芝居の詰め合わせです。コント主軸のお笑いの舞台……というかラーメンズの舞台を思い浮かべてくれればほぼそれです。終わり方と演出がとてもよくて、いいもの観たな〜って満足してます!

 

 

以下ネタバレ。

 

初っ端にラストの話をします!

いろんなコントをやったあろ、最後のコントで宇宙ってひとつじゃなくて別の宇宙もあって、いくつかの世界があることをマルチバースと呼ぶ。で、ぜーんぶの宇宙のことをオムニバースって言うんだよ。って話をするんですよ。で、「いろんな宇宙(パラレルワールド)があるらしいね。その世界だと俺たちって違うことやってるかもね。シェフとか、船長とか」みたいな感じでいままでやってきたコントの職業をあげてくことで、今までのコントって別世界の2人なんだな〜ってまとまっていく感じのラスト。

これまで観てきたのはマルチバースで、全部の宇宙であるオムニバースのなかの一部を観ていたんだなぁてんてんって。オタクの好きなタイトル回収!というかタイトルの意味を知ってる状態でこのコントの集合体をみたら一発目からわかるか……。

オチがこんな感じなんですけど流れがよくって、まずコント一発目の2人って『声優』なんですよ!で、結構そのままのおふたり(だと思う。おふたりのこと詳しくないのでイメージですが……)で演じられてるように思えて……だから最初の一発目にこの宇宙の2人をやったのかな〜って。メインの宇宙というか、いま私たちがいる宇宙ってきっとここだよなーって。

で、コントの最後の2人が『声優のたまご』なんですよ。コントの最後に「将来ふたりで声優になって共演しましょうね!」って誓い合うんですけど、それってきっと最初のコントに繋がってて……あれは未来の話なのかなって。でも捉えた方によっては別の宇宙……みたいなこのね、好きですね……。

 

あと好きなところなんですけど舞台構成!

メインの舞台が正面にあって、左右に服がたくさんかけてある空間(区画?なんかこう……丸見えの部屋?みたいなの)があって、芝居がひとつ終わるごとに2人がそれぞれ左右の空間に移動して生着替えするんですよ。あ、スパッツ履いてるのでパンツ丸出しとかはないです。そこで他愛ない話とかお芝居に関係する話とかをしつつ、着替え終わったら暗転、そして2人が次に演じる職業を書いた掛け軸みたいなのにスポットライトを当てて見せて、芝居が始まっていく……みたいな。2人芝居でも暗転させずに場を繋ぐのすげーって思って。しかも面白いし……

ちなみにこれは脚本もだけど木村昴さんのトーク力もデカい!そして受け答えする浅沼さんのテンションの噛み合い方がちょーどよくて。この2人の相性めっちゃいいなーって思いました。仲がいいってのも頷ける。

 

コントの内容はかなり小林さんらしいなーと思いました!

私はお笑いといえばラーメンズ育ちなのでめっちゃ馴染む!でもちゃんとこの2人ならではに仕上がってました!木村昴さんってめちゃくちゃ個性的というかキャラクター性がある方だと思ってて、そのキャラクター性的にちょっとオーバーな表現もすっごいしっくりくるんですよね。顔での表現とか。そういうのがものすごいいいエッセンスになっていました。

ラーメンズっぽいのはテンポもなんですけど、うっすら全部の時空が繋がっているというか……要素がちょくちょく混じるのが好きです。

 

これはラーメンズとの比較なんですけど、ラーメンズのおふたりは『何にでもなれる』感じなんですよね。コントによって全くの別人になる。

でも木村昴はいい意味で木村昴を保ったまま別人になるって感じがしました。お仕事柄もあるんでしょうね。木村昴を活かしたまま別人になることを求められるわけだし……

でも浅沼さんは結構七変化って感じだったなぁ。声優と一口に言っても傾向?ジャンル?はあるのかな?

そしておふたり、演技がうまい!やってることはコントなんですけど、根底として『お芝居』をなさっているなぁというのが感じられました。

 

総じて、観てよかった〜!やっぱり小林賢太郎さんは最高!そして木村昴さんってすげー!ってなりました。これが旗揚げ公演らしいので、また小林賢太郎さんの脚本でなにかやってくれないかな〜。って思ってます。オススメ公演です!